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医療事故調査制度とは(3) 調査は誰がするのか?

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    1 調査の主体は?

     医療事故調査制度において,医療事故の調査を行うのは誰でしょうか。
     これまで,何度も名前の出ている「医療事故調査・支援センター」(以下単に「センター」と言います。)が行うのかというと必ずしもそうではないようです。
     医療法にはどのような記載があるかと言いますと
     第6条の11第1項 病院等管理者は,医療事故が発生した場合,医療事故調査を行わなければならない
     第6条の17第1項 センターは,病院等管理者又は遺族から依頼があったときは,必要な調査を行うことができる
    とあります。
     したがって,病院等等管理者は,調査を行う義務があるので,通常は,院内調査が行われます。
     しかし,‐規模な診療所などで院内調査ができる体制にない場合に管理者から依頼するような場合,院内調査に納得ができない遺族から依頼するような場合には,「センター」の調査が行われる建前となっています。

    2 院内調査の主体のあり方

     通常は,院内調査が行われるとしても,その調査を具体的に実施するのは誰でしょう。
     病院管理者が一人で,あるいは,当該医療行為者と二人で,それとも,これらに知り合いの医師を含めて調査する可能性もありますが,そのような体制では,調査結果の公正さや中立性に疑念が残ってしまいます。
     そこで,医療法では,院内調査は,「厚生労働省令で定めるところにより」行わなければならないとしています。
     そして,具体的な内容は,現在,「医療事故調査制度の施行に係る検討会」で議論がなされています。しかし,この記事を書いている時点では,取り纏めができていません。
     院内調査の主体に関しては,例えば,複数のメンバーで構成する合議体で調査するのか,そのメンバーに誰を加え,誰を加えないようにするのか,などが問題となりますが,検討会では論点とされていません。
     患者の視点から言えば,航空・鉄道事故調査委員会(現在の運輸安全委員会)の調査のイメージを抱くのではないでしょうか。とすれば,合議体で,当該事故関係者とは関係のない第三者の専門家で構成されている委員会方式が望まれるところでしょう。

    3 医療事故調査等支援団体

     医療法第6条の11第2,3項では,上述のとおり,院内調査を基本としているため,中小の医療機関では,原因究明のために必要な専門家が院内にいない場合などに,医学上の支援をを受けられる,医学医術に関する学術団体等(以下,「支援団体」と言います)の支援制度を設けています。
     管理者等は,調査においてこれらの支援を求めるものとされ,他方,医療事故調査支援団体は必要な支援を行うものとされています。
     ただ,この支援団体の案の中には,日本医師会や都道府県医師会なども含まれており,これらの団体が医療事故の損害賠償責任保険関連の事業もされていることから,支援団体として関与するときの公正さや中立性に疑念が生じないような手当が必要であると思われます。

    4 センター

     上述のとおり,センターも,第2次的には,調査の主体となる場合があります。
     患者の視点からは,医療版の事故調の創設が期待されてきたのですが,マンパワーや予算の問題,それに制度創設の妥協的産物として,院内調査が第1次的に行われ,センターの調査が第2次的となってものと思われますので,できるだけ,本来の姿を実現するため,センターには,院内調査の事後的検証に留まらず,院内調査に代わって自ら調査を実施していただきたいと思います。
     そのためにも,地方組織の充実,解剖医の確保,人的体制の整備を図っていってもらいたいと思います。

    JUGEMテーマ:妊娠、医療問題
    シヨウセイ * 医療事故 * 10:23 * comments(0) * -

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