<< July 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 医療事故調査制度とは(3) 調査は誰がするのか? | main | 医療事故調査制度とは(5) 調査結果の遺族への説明 >>

医療事故調査制度とは(4) 解剖や調査の方法は?

0
    1 解剖は必ずするのか?

     医療法には,医療事故調査に際して,必ず解剖をするとの記載はありませんし,解剖という文言自体も見られません。
     この点は,医療事故調査制度の施行に係る検討会(以下,単に「検討会」と言います。)における検討事項の中に,次のとおり記載されています。
     病院等管理者は,解剖やAi(死亡時画像診断)を実施するか否かは,その必要性があるかないか,遺族の同意が頂けるか否かを考慮して,決定するものとする。
     要するに,必須ではないということです。
     しかし,医療事故調査制度の目的が,原因究明と再発防止にあり,調査対象が,予期せぬ死亡である以上,臨床経過から明らかな場合は別としても,解剖は是非とも必要な調査であると思われます。
     したがって,解剖を原則とすべきであり,ご遺族の方は,是非解剖に同意して欲しいと思います。
     他方,病院等管理者は,自院で又は支援団体に支援を受けて,解剖を実施するようにするべきでしょう。
     また,病院等管理者は,解剖を原則とするために,解剖が可能な時期までに,センターへの報告,遺族への説明,支援団体への支援要請の手配を「遅滞なく」行う必要があります。
     
    2 Aiでも十分か?

     Ai(Autopsy imaging,オートプシーイメージング)とは,死亡時にCTやMRI画像を撮影して,どこに異常所見があるかを診断することですが,解剖の代わりにならないのではないかといった議論がされています。
     解剖から得られる情報とCTからの情報は,それぞれ異なります。したがって,欲を言えば,解剖もAiも両方行うのが最善でしょう。
     解剖については,遺族の抵抗感がありますが,特に,脳に関しては,抵抗感が強い場合があるようです。
     徹底した原因究明を望まれる場合には,両方をお願いするのがよいでしょう。

    3 遺族からのヒアリング

     医療事故を患者側で扱っていますと,往々にして,遺族の方から,カルテの記載と異なる経過を聞いたり,当該医療従事者の説明と齟齬する場合があります。
     医療従事者も思わぬ死亡を目の当たりにして,記憶が不確かになっている場合もありますから,行われた医療やその後の患者の状態などを見聞した遺族から事情を聴くことは,原因究明や再発防止の役に立つ作業と思われます。
     この点,検討会の検討事項では,「当該医療従事者からのヒアリングは必ず実施」とされていますが,遺族は「その他の関係者からのヒアリング」とだけ記載されています。
     医療事故調査制度は,医療裁判ではありませんから,調査委員会等が,争いのある事実に関して判断することはできないと思います。他方で,原因究明はしなければなりませんから,医療記録を踏まえた経過で判断していかざるを得ないと思いますが,遺族のヒアリングもして,医療従事者に確認することは,勘違いを除外するなどの効果も期待できるのですから,是非実施してもらいたいと思います。

    4 調査期間

     医療事故調査の期間については,検討会の検討事項では,目安としての期間を示す方針があるようですが,何カ月と言う点は確定していません。
     日本医療法人協会が参考に示した期間は,「2ヶ月程度以内」としています。
     遺族としては,早い方がよいとは思いますが,拙速では意味がありませんから,ケースに応じて,3か月から6ヶ月程度で説明を受けたいところでしょう。

    次回は,調査結果の説明と報告書の交付について話します。
     
    JUGEMテーマ:妊娠、医療問題
    シヨウセイ * 医療事故 * 10:27 * comments(0) * -

    コメント

    コメントする









    このページの先頭へ