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子宮収縮薬(オキシトシン等による陣痛促進)

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    お産に際して,オキシトシン(アトニン−O)などの子宮収縮薬が使用されることがあります。
    陣痛が弱い場合などに,分娩の進行を助けるために使用されるものですが,事故が起きることもあるため,日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会(名前が似ていますが,別の団体です。)が共同で「子宮収縮薬による陣痛誘発・陣痛促進に際しての留意点:改定2011年版」(以下「留意点」と言います。)を発行して注意喚起しておられます。

    留意点によれば,「オキシトシンは…,感受性に個人差や妊娠週数による差が認められる。投与開始後5分ほどで効果が現れるが,開始後早期に過強陣痛が出現しやすいため30分ほどは,子宮収縮,胎児心拍数に十分注意する。」とされています。
    また,このため,オキシトシンの使用法としては,低用量法すなわち,開始時投与量1〜2ミリ単位/分とし,30分以上の間隔をあけた後に,増量を必要と判断された場合のみ1〜2ミリ単位/分で輸液量を増やすようにとしています。
    要するに少しずつ,時間をかけて効果を見極めて,使用しなさいということです。それは過強陣痛を回避することに主眼があるからと思います。
    なお,先生によっては,高用量で開始されることもあるようですが,添付文書やガイドラインと異なる使用方法で,賛否両論あるようです。

    ところで,過強陣痛が起きると,胎児に酸素が十分いきわたらず低酸素症を引き起こしたり,母体に対しては,子宮破裂や頸管裂傷などを生じさせます。さらに,これら裂傷などの傷口から,羊水成分が母体の血管に入り込み,羊水塞栓症という重篤な状態に陥らせることもあるようです。

    このようなことから,子宮収縮薬使用中には,胎児と母体の状態に十分に注意を払う必要があります。
    注意のポイントとして,分娩監視装置を用いて連続的にモニターするのはもちろんのこと,5〜15分ごとに,胎児心拍数陣痛図を確認・評価し,子宮収縮回数が10分間に5回を超えたり,一定レベル以上の異常波形が出現した場合には,過強陣痛を疑う必要があると提案されています。アメリカなどでは,特に5回を超える収縮回数を過剰収縮回数(tachysystole)と定義して過強陣痛予防のための基準としています。
    また,妊婦が異常に強い痛みを訴える場合には,子宮収縮約の減量・投与中止を検討すべきとの提案もされていますから,産婦さんも痛みの内容を正確に伝えることが必要です。
    この痛みに関して言えば,硬膜外麻酔等で無痛分娩が選択されている場合には,痛みがマスキングされるので,そのことも頭に入れておくのがよいと思います。
    シヨウセイ * 医療事故 * 12:10 * comments(0) * -

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